巨大ロボ!戦え! ガンスロン
まどかのかけている眼鏡のレンズが、システムの起動とともに、光る。

「真由ちゃん!コクピットに座った?」


「はい…何とか…」

顔を押さえながらも、真由はシートに座った。

「左手の毒針を、下から敵に、突き刺して!」

まどかの命令に、真由は頷くと、レバーを握り締めた。

「わかった!やります!」

真由は、レバーを上に動かすが…ガンスロンの左手を真上にするのが、むずかしい。それに腕につけた追加ポットが邪魔をしていた。

基本は前に、殴るしかない。

「キーイ!」

鷹は鳴きながら、翼をはばたかせた。


「くそったれが!」

無理矢理、上にレバーが折れるぐらいに回すと、

ガンスロンは右手を上げた。

「食らえ!」

右手の先から、針が飛び出し、鷹の腹の辺りに、突き刺さった。



「ぎゃあああ!」

断末魔のような声を上げると、鷹は空中で苦しみだし…ガンスロンを離した。



「チッ!致死量ではなかったか」

まどかは舌打ちした。


「毒針を持つロボットなんて…あり得ないでしょが!」

苦しむ鷹を、モニターで見てると、真由はかわいそうに思えてきた。

しかし、それどころではなかったのだ。

ガンスロンは、海面に向けて、急降下していく。


このままでは、やばい。

「お、おじいちゃん!」

真由は叫んだが、潤一郎はまどかに圧倒されていて、何も言えない。


「心配しないで!」

ディスプレイに、ガンスロンが映り、まどかは各ポイントを、マウスでクイックした。

すると、ガンスロンの各所から、制御用バニーアが点火し、体勢を整えると、ガンスロンの下半身である円盤の下にある巨大な噴射口が、炎を上げた。

落下速度がおさまると、ガンスロンの両腕につけたミサイルポットが開いた。

「追尾ミサイル発射!」

両腕のミサイルポットから、無数のミサイルが、もがき苦しんでいる鷹に向かって放たれた。
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