巨大ロボ!戦え! ガンスロン
ミサイル発射後、両腕のポットを捨てると、ガンスロンは水中に、着水した。

ミサイルに気付いた鷹が、何とか避けようと、猛スピードで上昇し、逃げる。

そして、羽を広げ、竜巻のような突風を起こすと、煽られたミサイルが、互いにぶつかり、誘爆する。

閃光が、昼間でありながら、太陽よりも輝いた。


「甘い!」

ミサイルが誘爆する寸前、まどかは、ガンスロンの背中にあるミサイルポットを開いた。

先程とか違う軌道を描きながら、閃光を隠れ蓑にして、ミサイルは鷹の頭上と、背中に当たった。

断末魔のような悲鳴を上げると、爆発の中から、鷹の巨体が落ちてきて、海面に激突した。

その瞬間、真由は顔をそらした。


苦戦すると思われた戦いは、スピード勝負にはならずに、圧倒的な物量の前に、あっけなく幕を下ろした。

「かわいそう…」

真由は、海面に激突し、血を流しながら、飛び上がろうとばたつく鷹を見て、レバーから手を離した。


ガンスロンの両肩についたキャノン砲が、海面でもがく鷹に向いた。

しかし、真由は飛び出してきた拳銃状のレバーを握らない。

「何をしている!真由!撃て!」

潤一郎が叫んだ。

真由は、画面から顔を背け、目をつぶった。

鮫の時は、ゲームのように興奮したのに……鷹は駄目だった。

血塗れになり、鳴き叫ぶ鷹を撃つことはできない。

「真由ちゃん…」

画面が、まどかの顔に変わった。

「鮫や虫、爬虫類は、撃てて…鳥は、駄目なの?」

「かわいそう……」

「かわいそう?あたし達は、戦ってるのよ!どちらが、生き残るかの!そんな下らない感傷なら、捨てなさい!」

まどかの言葉に、真由は耳を塞ぎ、首を横に降った。

「真由ちゃん!」

まどかは、歯ぎしりすると、マウスを動かした。

「まどか…」

「仕方がありません…。こちらからは、照準がつきませんが……撃ちます」

マウスが、ガンスロンキャノンの右側をクイックした。

「仕方あるまい」

潤一郎はため息をついた。

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