夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
ボヤける視野に映る、愛おしい人。
逢いたかった。
逢いたかった。
ずっとずっと、この瞬間を待ってたよ。
夢でも幻でもないヴァロンに触れられる。
そう思って手を伸ばす。
……が。そんな私の手を、彼じゃない誰かが取って強く握り締めた。
「あら〜アカリ、久し振りじゃない!」
「!……え?」
「てか、どうしたのよ〜こんなに泣いて!
何か悩み事?わたくしでよかったら聞くわよ!」
私の手をギュッと握るのは、ミネアさん。
初対面に等しいというのに、とても親しんだ様子の彼女の行動と言葉。私は驚いて思わず瞬きを忘れて呆然としてしまった。
「え?……。
ミネアさんの、お知り合いですか?」
「そうなの!でも会ったのは久し振り。
ねぇマオ様、わたくしアカリと話したい事がありますの。もう少しお待ち頂いていいかしら?」
私と同様に驚いているヴァロンに、ミネアさんはまるで親友に会った口調でそう告げる。