夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
(3)
【港街/広場】
心配するヒナタとヒカルをなだめ、私は作ってきたお弁当を食べるようにすすめると、少し離れた場所で子供達を見つめながらミネアさんとベンチに座った。
すると。
二人きりになった途端にミネアさんは口を開き、話し始める。
「貴女の御察しの通り、彼は元夢の配達人……。いえ、”貴女の元夫のヴァロン”よ。
……といった方がいいのかしら?」
淡々とした口調だが、どこか柔らかい響きが彼女を冷たいとは思わせない。
私はミネアさんの横顔を見つめながら、話に耳を傾けた。
「手術は上手く行ったわ。
……ただ、手術が終わって目覚めた時。彼は”ヴァロン”として生きてきた全ての記憶を失っていたの。
原因は不明。もしかしたら戻るかもしれないし、このまま何も思い出さない可能性もあるわ」
「!っ……」
記憶が、ない。
衝撃的だったが、ミネアさんの簡潔な説明に、先程のヴァロンの反応や態度が疑う事もなくピッタリと結びついた。
心配するヒナタとヒカルをなだめ、私は作ってきたお弁当を食べるようにすすめると、少し離れた場所で子供達を見つめながらミネアさんとベンチに座った。
すると。
二人きりになった途端にミネアさんは口を開き、話し始める。
「貴女の御察しの通り、彼は元夢の配達人……。いえ、”貴女の元夫のヴァロン”よ。
……といった方がいいのかしら?」
淡々とした口調だが、どこか柔らかい響きが彼女を冷たいとは思わせない。
私はミネアさんの横顔を見つめながら、話に耳を傾けた。
「手術は上手く行ったわ。
……ただ、手術が終わって目覚めた時。彼は”ヴァロン”として生きてきた全ての記憶を失っていたの。
原因は不明。もしかしたら戻るかもしれないし、このまま何も思い出さない可能性もあるわ」
「!っ……」
記憶が、ない。
衝撃的だったが、ミネアさんの簡潔な説明に、先程のヴァロンの反応や態度が疑う事もなくピッタリと結びついた。