夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「わたくしを良い人だとか思わないでね?むしろ逆よ。
わたくしは貴女を邪魔だと思っているわ。
過ぎた事とはいえ、マオ様と夫婦だったんですものね?」
呆然と見つめる私を、ミネアさんはさっきまでとは違う強い眼光で見つめてくる。
そして、何も言えないでいる私を嘲笑うように鼻を鳴らした。
「けど、それも今では私の役割。
わたくしとマオ様は、身も心も愛し合っているのよ?」
「……」
「貴女だって、元妻なら分かるでしょう?彼がどんな風に愛してくれるのか?
ああ見えて、二人きりになると……ね?」
「っ……!」
ミネアさんが自分の顔にかかった長い髪を搔き上げて、勝ち誇った表情を浮かべる。
その仕草と表情があまりにも色っぽくて……。
彼女の言葉と行動に、私の心は沸騰しそうなくらいにカァッとなった。
身も心も、愛し合っている?
ヴァロンと、ミネアさん……が?
考えたくもない事だった。
しかし、私の頭の中には次々とヴァロンとの想い出が映像のように浮かんでくる。