夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
〈回想〉
【三年前/病室】
目に映るのは、知らない天井。
上手く動かせない身体。
目線だけ泳がせて見ると、ほとんどが白色の知らない空間だった。
そこは病院の個室。
医師や看護師の説明で、僕は脳の病気で手術をしたんだと告げられた。
でも、僕には何も思い出せなかった。
病気の事だけじゃない。
自分の名前や、家族の事、これまで生きてきた事も……全部。
人が話す言葉はゆっくりと時間をかければ理解出来たけど、文字は書けないし、読む事も出来ない。
身体を動かす事にもリハビリが必要で、自分一人では思うように何も出来ない生活。
そんな中。
見舞いに来てくれた祖父と名乗る人物は、僕を見て失望していた。
呆れた表情で、溜め息を吐いて、冷たい視線で僕に言った。
”役立たず”って……。
【三年前/病室】
目に映るのは、知らない天井。
上手く動かせない身体。
目線だけ泳がせて見ると、ほとんどが白色の知らない空間だった。
そこは病院の個室。
医師や看護師の説明で、僕は脳の病気で手術をしたんだと告げられた。
でも、僕には何も思い出せなかった。
病気の事だけじゃない。
自分の名前や、家族の事、これまで生きてきた事も……全部。
人が話す言葉はゆっくりと時間をかければ理解出来たけど、文字は書けないし、読む事も出来ない。
身体を動かす事にもリハビリが必要で、自分一人では思うように何も出来ない生活。
そんな中。
見舞いに来てくれた祖父と名乗る人物は、僕を見て失望していた。
呆れた表情で、溜め息を吐いて、冷たい視線で僕に言った。
”役立たず”って……。