夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

身内と言われてもピンとこなかったけど、面と向かって言われたその一言はやっぱりショックだった。

初めのうちは祖父と一緒に顔を見せてくれた弟も、ある日を境に病院には来なくなった。
この二人が、僕の家族。


でも、後に分かった。
弟とは腹違いで、僕は父親が愛人との間に作った子供なんだという事。

一族の家系にはない、突然変異で色素の薄い僕の白金色の髪と瞳を祖父が嫌っている事。


唯一。手術前までは優秀だった僕の仕事ぶりだけは、祖父が気に入ってくれていたらしい。


ーーつまり。
それだけが僕の取り柄で、家族である絆だったんだと思う。

……。
けど、僕は忘れてしまった。
仕事どころか、普通の生活でさえ自分一人では満足に出来ない。

手術費用、入院費、リハビリ……。
お金ばかりかかる僕は、”役立たず”と言われても仕方ない存在だった。
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