夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「……はい。ホットミルク、ございます。
店内でお召し上がりですか?それともお持ち帰りになさいますか?」
いつも通りに接客。
子供達の為にも、”二度と彼に関与しない”というミネアさんとの約束は絶対に破れない。
バッタリ彼と会うなんて偶然。そう何回も続く訳はないのだから、今のこの場を何としても乗り切ろうと思った。
……でも。
笑顔で耐える私に、ヴァロンが予想外の事を言う。
「少し……。
っ……少し、だけ……お話出来ませんか?」
「……。えっ……?」
「あ、貴女と……お話がしたいんです///」
「……」
呆然とする私の目の前で、口元を手で隠しながらカアァッと赤面する彼。
それは……。
照れた時の、ヴァロンのクセだった。
以前と変わらないその仕草が、また私の胸をキュッと掴むのだ。