夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
貴方は、”私の夫”なんだって……。
全部話して、思い出してほしい。
私の元に、帰ってきてほしい。
けど、それは出来ない。
私の頭に浮かぶのは、彼と同じくらい大切で可愛い子供達だった。
「お時間は、取らせません……。
ほんの……少しで……」
「注文がないのでしたらっ、お帰り下さいッ……!!」
気付いたら、私は咄嗟に声を上げていた。
彼の言葉を遮って、ただただ必死だった。
「迷惑なんですっ!
食事をする気がないのなら出て行ってッ!!」
「っ……」
私の叫び声が響いた後、シンッと静まり返る店内。
私の目の前には、まるで母親に突き放された子供のような彼が立っていた。
……
…………。