夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「さしでがましいと、思われても申し上げます。
貴方様の為にも、御社の為にも、アカリ様には一刻も早く大手の殿方に嫁いで頂くのが1番かと」
「やめろ……」
「幸い、一度離縁している身でもアカリ様はお子が成せる身体だと立証済み。
嫁に欲しいというお声も上がっているとの事で……」
「やめろと言っているだろうッ!!」
言葉を遮り、ローザを鎮めると私は鋭い視線を彼女に向けた。
ローザが本心からそれを望み、私に進言している訳ではない事くらい分かっている。
思っていても口に出来ない者の為に、あえて自らが代表してくれているのだ。
以前から定まらない私の後継者争いを、ハッキリさせる為に……。
本来は孫娘であるアカリに婿をとらせ、その間に産まれた子供を正式な跡取りとして迎える予定だった。
勿論、現段階ではアカリの長男ヒカルが跡取りの第一継承権を持っている。
そこは問題ない。
問題は、ヒカルが成人するまでの後見人。