夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
一生彼だけを想って生きて生きたい。
そんな私の想いは誰にも理解してもらえず、18歳の誕生日には新たな嫁ぎ先のお見合いが決められた。
相手は、妻に先立たれ、30歳以上も年の離れたすでに50歳の男性。
噂では前妻との間に私よりも年上の息子がいるらしいが、その息子も家出中とか……。
自分の父親と年齢も変わらない男。
しかも息子に見放された、なんてロクでもない人物に違いない。
そんな男に嫁ぐなんて、うんざりだった。
……けど。
私はその見合いを、受けた。
円満に受け、両親や親族を喜ばせる為ではない。
むしろその逆だ。
見合い先の相手の前で醜態を晒し、めちゃくちゃにしてやろうと思った。
それが、愚かかも知れないが当時の私に出来た精一杯の反抗であり、復讐だったのだ。