夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
〈回想〉

それなのにーー。


「!……うわぁ〜っ!」

お見合い当日。
私は目の前に広がる別荘に圧倒され、驚きの声を上げていた。


「ははっ、気に入ったかい?」

そう言って優しい笑顔で私の隣に立つ男性。

実年齢よりは間違いなく若く見えし、白髪混じりの茶髪と鼻の下の髭もお洒落に見えて紳士的。
それが私のお見合い相手のアルバート様だった。


さて、どんな風に暴れてやろうか?

顔を合わせた瞬間からそんな事ばかりを考えていた私に、「君を連れて行きたい場所がある」と言ってアルバート様は早々にお見合い会場を後にすると船に乗せ、この別荘に連れてきた。


おそらくまだ建てたばかりの新築であろう。

近くの浜辺が見渡せる小高い丘の上に建った、白壁に赤に近い茶色の屋根の可愛い外観。
外から見る限り二階建てだが、一階から二階までの空間が広いのか高さもあり、広い土地を伸び伸びと使われていて横にも広い。
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