夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「良かったら中へどうぞ。
君がこの別荘へ招待した第一号様だ」
圧倒される私に、アルバート様が促す。
へぇ、なるほど。
そうやって自分の凄さをアピールして、私をつろうとしているのね。
その手には乗らない!と、思いつつも……。
正直、内装が気になった。
海辺の美しい別荘、なんて昔読んだ絵本の中みたいに夢だったし。
少し、見るだけ。
私はそんな気持ちでアルバート様に付いて、別荘の中へ入った。
別荘内は、この頃はまだたいした装飾品や家具はなく、ただただ広いだけの空間だった。
でも、アルバート様は私を案内しながら各部屋や場所をこうしたい、ああしたいと自分の理想を話してくれた。
それを頭の中で想像しながら一緒に歩くうちに、いつの間にか楽しくなった私は、自分の意見も述べて会話を弾ませていたの。