夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
そのままの私で良いのだと。
愛しい彼と同じように、ありのままの私を受け入れて下さった。
想いを汲み取って下さり、身内でさえ無視した私の心を護って下さったのだ。
「っ……心より。
心より、勤めさせて頂きますっ……!」
そう返事をして頭を下げた直後。
私の瞳からは大粒の涙が溢れて、床へ落ちた。
彼を失って以来、人前で大泣きしたのはこれが最初であり最後。
アルバート様はずっと傍にいて下さり、頭を撫でて下さった。
そして、アルバート様が私の頭を撫でて下さったのもこの日が最後。
その日以来、アルバート様が私に触れてくる事はない。
心は誰よりも寄り添い合えるけれど、身を寄せ合う事は、私とアルバート様には一生ないのだ。
……
…………。
〈回想終了〉