夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
そんな彼を奥へ連れて行くと、脱衣所に連れ込んだ所で腕を放す。
ゆっくり見上げると、彼はとても困った表情だった。
ーーああ、抱き付いてしまいたい。
このまま全部気持ちをぶちまけて、唇を重ねて、「大好き」って言ってしまいたい。
溢れ出してしまいそうな、言葉と行動。
私は抑えて、微笑んだ。
「……こんな姿で貴方を帰したら、私がミネアに怒られてしまいます。
貴方が風邪を引いたら、きっと悲しむ。
……だから、ね?」
ミネアさんの名前を出して、彼を説得する。
こんな事をしてまで”彼と居たい”と思う私は異常かも知れないと思いながらも、このまま離れてしまうのは嫌だった。
これを逃したら、もう会えないかも知れない。
神様がいるのなら、もう少しだけ……。
私に彼との時間を下さいと、願っていた。
……
…………。