夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「!……あ、ごめんなさいっ。
そ、そのっ……美味しいかなぁ?って思い、まして……」
僕と目が合うと、正面の席のアカリさんは頰を赤らめてモジモジとした。
そして、その後も恥ずかしそうにしながらもチラチラと視線送ってきて、僕の反応を待ってるのがまる分かり。
思わず頰が、少し緩む。
可愛い、って思わない男性なんていない。
そう思う位の仕草を見ていたら、無性にアカリさんを喜ばせたくなって、もう一度笑顔が見たいなって思って……。
僕はオムライスをスプーンすくって、口に運んだ。
美味しい、なんてこの三年間一度も感じた事がなかった。
食べる事、食事の時間なんて苦痛でしかなかった。
それなのにーー。
「……美味しい」
彼女のオムライスを一口食べた僕は、無意識にそう言っていた。