夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
貴方は、幸せなの?
彼女の瞳が、もう一度問い掛けてくる。
何故アカリさんがそんな事を聞くのか分からなかったが、僕は彼女の悲しそうな表情を見たくないと思った。
だから、言おうとしたんだ。
たった一言、「幸せですよ」って……。
……けど。
そう言おうと思ったら、僕を見つめていたアカリさんの表情がまた変わる。
目を見開いて、驚いたような彼女の表情に疑問を抱いた時。
ポタポタと自分の手に落ちる、冷たい雫。
気付いたら視野がボヤけてて、そこから溢れた涙が、頰をつたり落ちていたんだ。
「っ……あれ?っ……え、えっ?」
眼鏡を外し、慌てて自分の手で涙を拭うが次々と溢れてくる涙は止まらない。
この三年間、泣いた事なんてなかった。
どんなに悲しいと思っても、辛いと感じても、泣いた事なんてなかったのに……。
何故、僕は泣いてるんだ?