夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「ヒナタ!ちゃんと挨拶しなさ……」
私は、必死にヒナタに言い聞かせようとした。
でも、そんな私をユウさんは止めると……。
「いいよ、いいよ。
ヒナちゃんだって女の子だもんな〜?
レディには悩みがたくさんあるよな〜?」
そう言って。笑顔でヒナタを抱き上げて、高い高いをしたままクルクルと回し出す。
「わっ!……わわっ!
ユ、ユウさんっ……!はやいよ〜!」
「ははっ!そんな悩み、ユウ兄さんが吹き飛ばしてあげよう〜!!」
すると……。
自分を抱いてクルクルと回り続けるユウさんに、最初は驚いた表現していたヒナタが微笑った。
すごく楽しそうに、笑ってた。
私の大好きな、久々に見る愛娘の笑顔。
嬉しさと同時に、私には決して埋めてあげる事が出来ない”父親”という存在の力を……。
思い知らされた。