夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
……
…………。
「まぁ〜ま!げんき、ないないなの?」
「!……ヒカル」
港街の広場の片隅。
屋根付きの休憩スペースに座っていた私に、心配そうな表情のヒカルが問い掛けてきた。
子供達のお迎えに行ったらすっかり雨は止んでいて、二人に今日保育所で作った竹トンボで遊びたいとせがまれて、ここにきた。
けど、ずっと上の空だった私。
これではいけないと思って首を横に振りながら微笑み、息子の頰を優しく撫でる。
「ヒカル〜!もういっかい、とばすよ〜!」
「……ママは大丈夫よ。
ほら、お姉ちゃんと遊んできなさい?」
私が答えてヒナタの方へ行くよう背中を押すと、ヒカルはコクリと頷いて駆けて行った。
「最後に、って思ったのに……。完全にミスっちゃったなぁ」
少し離れた場所で遊ぶ子供達を見つめながら、私は小さく呟く。