夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
せっかく生きてまた会えたのに、私がここで諦めてしまったら全てが終わってしまう。
遅過ぎる事なんてない。
何も行動を起こしていないうちから恐れて、諦めていては駄目なんだ。と……。
子供達の事を考えれば、不安が拭いきれないのは事実。
でも、私は決して一人ではないのだと。
ヴァロンと過ごした時間の中で築きあげた絆が……。
ううん。
何よりも彼の人徳が、私の力になって助けてくれる。
「……あれ?」
「もしかして、アカリ……さん?」
私を呼ぶ、声。
懐かしい声に向ける視線の先には、紺色の制服に身を包んだ金髪の姉弟ーー。
「レナ……っ。レイッ……」
再会した瞬間。
小さな力でも、集まればどんな強大な壁にもぶつかっていけるのだと……。
奇跡を起こせるのだと思った。