夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

まさに、見極めの瞬間。

ふと、私の頭の中に以前ヴァロンが言った言葉が浮かぶ。

”生憎だな。
アカリは、お前達が思ってる程ヤワな女じゃねぇよ”

その言葉が私の中に響いた瞬間、目の前のアカリ様が微笑って答えた。


「ありがとうございます。
……でも、それは必要ありません」

「!……え?」

「約束したんです、ヴァロンと。
例えどんな風に彼が変わっても、生まれ変わっても、私は必ずまた好きになるって。
……幼稚な、馬鹿な話かも知れないけど、私は彼と離れてからもずっとそう信じてきた。
私を支えてくれた、夢なんです」

そう言ったアカリ様の表情からは、幸せが溢れていた。
”醜い感情”など微塵も感じない、恋する少女のような彼女。


やはりこの女は違うーー。

その実感を目の当たりにしたら、「だろ?」って私の中で、ヴァロンが微笑っていた。

……
…………。
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