夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
【暫くして】
「私が好きなのは、”今の彼”。
勿論、思い出してくれたら嬉しいです。
……でも、彼がいてくれたらそれだけでいい。想い出なんて、また作り直せばいいんです!」
……。
そう言って、アカリ様は帰って行った。
残された部屋の中。
ずっと黙って窓から外を眺めていたミネア嬢が、帰ろうとする私に言う。
「今日の事は、シャルマ様の耳には決して入れないでちょうだい。
……絶対よ?約束して」
その言葉こそ、ミネア嬢がアカリ様を認めた証拠だった。
決して見返りも求めず、今を懸命に受け止めて生きる相手に、自らが余計な手を借りる訳にはいかない。
ーーいや、卑怯な手で勝ちたくない。
ミネア嬢の背中が、そう語っていた。
「……かしこまりました。
では、今日は失礼致します」
彼女に向かって一礼すると、私は部屋を後にした。
「私が好きなのは、”今の彼”。
勿論、思い出してくれたら嬉しいです。
……でも、彼がいてくれたらそれだけでいい。想い出なんて、また作り直せばいいんです!」
……。
そう言って、アカリ様は帰って行った。
残された部屋の中。
ずっと黙って窓から外を眺めていたミネア嬢が、帰ろうとする私に言う。
「今日の事は、シャルマ様の耳には決して入れないでちょうだい。
……絶対よ?約束して」
その言葉こそ、ミネア嬢がアカリ様を認めた証拠だった。
決して見返りも求めず、今を懸命に受け止めて生きる相手に、自らが余計な手を借りる訳にはいかない。
ーーいや、卑怯な手で勝ちたくない。
ミネア嬢の背中が、そう語っていた。
「……かしこまりました。
では、今日は失礼致します」
彼女に向かって一礼すると、私は部屋を後にした。