夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「……僕の考え、おかしいかな?」
「いいえ、しっかりとなさったお考えです。
猫を預かって下さっている方にも、きっとマオ様のお気持ちが伝わるでしょう」
私が微笑むとマオ様の顔からも不安が消え、再びおもちゃを懸命にお選びになっていた。
記憶を失って以来、御自身の考えにすっかり自信を失くしていたマオ様が自ら起こしている行動。
これを良い傾向だと思った私は、この後積極的に相談に乗り、買い物を一緒に楽しんだ。
子猫を預かってくれている人物が、まさかあの方だとは知らずにーー。
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