夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

色んな事を思い出しながら、私は昔のように広場の地面に直接腰を降ろした。
ヒンヤリとしたコンクリートの感触は、ヴァロンと組手をした後に大の字で寝転ぶと気持ち良かった冷たさのまま。

その変わらない地面に触れて、また甦ってくる想い出。


思えば、よくリディアにはからかわれた。
ヴァロンとリディアのやり取りに私が鋭く指摘したり、怒ったりすると「さすが、次期マスター殿!」とか「かしこまりました、次期マスター殿!」って……。

二人は真面目と不真面目のバランスが丁度良いのに対し、真面目しかなかった私は常にツッコミ役。

それを次第に”考えが堅い”と、短所にしか取れなくなった時期もあったが……。
そんな時に「アンタの真面目さは、マスターになった時に絶対役に立つ」と、励ましてくれたのもリディアだった。
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