夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

「無断欠勤の処罰は、どんな事でも受けます!
っ……ですからッ、どうか……ッ」

声を絞り出しながら、ユイは頭を下げるように俯いた。

彼女の言いたい事は、その先に続く言葉は分かっている。
おそらくユイも辞表を提出し、レナとレイに付いてアカリさんを助けたいのだろう。

当然だ。
彼女はリディアとヴァロンの娘。
母親が果たせなかった父親の幸せを守りたいと思うのは、当たり前の事。


「……ユイ」

「!……は、はいっ」

「ここを去ると決めた者に、処分はありません。
辞表と手続きを済ませたら、それ以上は何も求めませんよ」

「!……え?」

ユイの決断に反対するつもりもない私は、静かに告げた。

彼女が特別ではない。
夢の配達人、調査員の辞職や引退は各自が決める事であり、問題を起こした場合を除いて、例えマスターの立場であってもそれをすすめる事も止める事も出来ない決まりだ。
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