夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

しかし、もしかしたら今の彼《マオさん》には食べられない物があるのかも知れない。

だったら、私は知りたいと思った。
マオさんの事を、もっともっと知りたい。

そんな気持ちで見つめていると、彼は予想外の言葉を口にする。


「……ずっと、思ってたんです」

「え?」

「貴女の、手料理……。
また、食べたいなって、思ってました」

!……っ〜〜〜。

マオさんの嬉しい言葉に不意を突かれて、私の胸はキュンキュンと締め付けられた。
しかもしかも、そういう事を天然というか、素直に言っちゃう純粋さ。


ーーいや。
彼が可愛いのは、前からだ。
意地悪そうに見えても、可愛かった。


……やっぱり、変わらないね。

込み上げる愛おしさで、堪らなく泣きたくなる。
突然会いに来てくれたり、素敵な言葉でこんなに幸せにしてくれる。


愛してる、って叫びたいよ。
< 289 / 322 >

この作品をシェア

pagetop