夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
すごく、綺麗な声。
一言で言えば、つまりは伝えたい気持ちはそこだ。
……でも。
そんな単純な言葉を言っても、きっと喜んでもらえない。
何を言えば、いい?
一体どうしたら、喜んでくれる?
どうしたら、もっと絵本を読んでくれるの?
綺麗な君の声で、”もっともっと絵本を読んでもらいたい”って、思った。
けど……。
そんな我が儘を言って、目の前の笑顔が消えてしまうのが怖かった。
「ママ〜えほんはもういい。あっちであそんでくる〜」
「はいはい。
気を付けて遊ぶのよ?」
「は〜い!ヒカル、いこ〜!」
気持ちを上手く表現出来ず言葉を詰まらせていると、ヒナタちゃんの一言で朗読は終了。
すごく残念だけど、確かに公園という場所に来てまで絵本を読んでもらうなんて、子供でも退屈な事なのかもしれない。
それなのに僕は……。
見た目は大人なのに、中身は子供以下。