夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「マオさん、ニコニコ〜!なんかいいことあったの〜?」
「!……えっ?」
そう。無意識だったから、ヒナタちゃんに問い掛けられて、僕はこの時初めて自分が笑っている事に気付いた。
その事を自覚して、一瞬驚き戸惑ったけど……。すぐに思った。
”大丈夫”だって。
「この人達の前でなら、そのままの自分でいいんだ」って……。
心の奥底で、言われた気がした。
「……ヒナタちゃん達が、楽しそうだからだよ?
仲良しなんだな〜って思って、僕まで嬉しくなっちゃったんだ」
素直な気持ちが、すんなり口から出て言葉になった。
飾らなくていい。
飾る必要なんて、ないんだよね?
心の中で問い掛けたら、ヒナタちゃんが僕の手を握り締めて笑った。
「マオさんもだよ!
マオさんも、いっしょだからたのしいんだよ〜!」
言葉を選ぶ必要も、全くなくて。
温かい言葉が返ってくる事が、こんなにも嬉しい事だって知った。