夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

「……でも、僕持ってるだけで全然使ってないんですよ。
だから、いまだに使い方分からない事だらけで」

「あはっ、私もですよ〜」

「一緒ですね〜」って、顔を見合わせて、マオさんと微笑み合った瞬間。

パシャッ!
と、言うポケ電の写真を撮る音。

「え?」と、その音の方に視線を向けると、ヒナタがにかっと笑って言った。


「とれた〜!
ママもマオさんもかわいくとれた〜!」

ピョンピョン跳び上がる娘の手には、ポケ電。
チラッと見えるその画面には、私とマオさんが写っていた。


「ヒ、ヒナタ!
ちょ、っ……ちょっと、貸して!」

私は慌ててポケ電を取り上げると、写真を確認する。

そこには、確かに私とマオさんが微笑み合う姿。
柔らかい、大好きな表情の彼が……写ってる。

……。
ポチッとボタンを押して、私は絶対に消さないよう保存した。

そして、再び画像を開いて見つめる。
< 308 / 322 >

この作品をシェア

pagetop