夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「……でも、僕持ってるだけで全然使ってないんですよ。
だから、いまだに使い方分からない事だらけで」
「あはっ、私もですよ〜」
「一緒ですね〜」って、顔を見合わせて、マオさんと微笑み合った瞬間。
パシャッ!
と、言うポケ電の写真を撮る音。
「え?」と、その音の方に視線を向けると、ヒナタがにかっと笑って言った。
「とれた〜!
ママもマオさんもかわいくとれた〜!」
ピョンピョン跳び上がる娘の手には、ポケ電。
チラッと見えるその画面には、私とマオさんが写っていた。
「ヒ、ヒナタ!
ちょ、っ……ちょっと、貸して!」
私は慌ててポケ電を取り上げると、写真を確認する。
そこには、確かに私とマオさんが微笑み合う姿。
柔らかい、大好きな表情の彼が……写ってる。
……。
ポチッとボタンを押して、私は絶対に消さないよう保存した。
そして、再び画像を開いて見つめる。