夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
どんな時も、笑顔でいようと思った。
彼が迷わずに私の元へ……。
ーーううん。
私達家族の元へ、本当に帰って来られるその日まで……。
自然と引き合わされて、もう一度巡り逢えた。
惹かれ合って、恋をして、また一緒になれる。
そう、信じようって思えた。
彼が”明るい里”に辿り着くまでのその道のりが、どんなに険しいかも、知らないのに……。
「ーーマオしゃーん!」
「マオさーん!こっちにきてー!」
見つめ合っていたら、すっかり彼に懐いた子供達が少し離れた場所から手を振って呼んでいた。
私達は「ハッ」として、少し照れ臭そうに目を逸らす。
「はっ……はい!
……あ、い、いってきます!」
「!っ……あ、いって……らっしゃい」
顔を赤くして、自分の顔の横まで手を上げた彼が、まるで自宅から出掛けるような言葉を掛けてくれた。
またそれが嬉しくて、私も手を振って子供達の方に走って行く彼を見送る。