夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

彼の背中を見つめながら、笑みをこぼす私。


ーーだが。
彼が子供達の元へあと少し、という所で私は「あっ!」と思い出して叫んだ。


「マオさん!ダメですっ!!ストッ……」

「ーーっうわ!?」

「ストップ!」の言葉は無情にも、間に合わなかった。

私の目に映るのは……。
地面の穴から噴射した水によって、ずぶ濡れになっているマオさん。


「わぁ〜い!ひっかかった〜!」

「マオしゃん、びしゃびしゃ〜!」

ずぶ濡れになって茫然と佇むマオさんの側で、ヒナタとヒカルは「キャッキャッ!」と喜んで跳び上がっている。

人が通ると反応して、地面から水が噴き出す仕掛けのある場所。
以前、私も子供達にまんまと誘導されて引っかかってしまった。


「っ〜〜〜!
もうっ、2人とも!何やってるの!!」

私が怒りながら駆け寄ろうとすると、ヒナタとヒカルは「きゃ〜!」と笑顔で散って行く。
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