夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
……
…………。
夕飯が終わって……。
眠気に襲われてグズる子供達をユウさんは寝室に連れて行ってくれると、後片付けがある私に代わってベッドで本を読んでくれていた。
静かになった家の中。
私は1人キッチンで、余ってしまった大きな鍋の中の大量のカレーを見つめて苦笑いを零す。
10人前位作ってしまったカレー。
まだ、6、7人前位はあるだろう。
「……冷凍、しようかな」
タッパーを取りに食器棚の方を向くと、食事をしていたテーブルが目に入る。
そこには……。そこまで達する事のなかった小鉢の料理が、手付かずで残ってる。
「……あ。ラップ、しなきゃ」
ラップを手に取ってテーブルに向かうと、小鉢にそっと被せる。
そんな自分の行動が、なぜかすごく悲しい。
……。
頭では、分かってる。
ユウさんの反応が、普通だと分かってる。
これが当たり前の事なんだ、って気付いたよ。