夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「……じゃ、お邪魔しました。
夕飯美味かったぜ、ごちそうさま」
私が後片付けを終えると、子供達はすっかり夢の中。
お見送りする為に私も一緒に玄関まで行くと、ユウさんは微笑みながら頭をポンポンッと撫でてくれた。
「いえ、こちらこそ。
ヒナタもヒカルもすごく嬉しそうで……。
いつも、ありがとうございます」
軽く会釈をして、笑顔を返す。
すると……。
「……アカリは?楽しかった?
僕としては、アカリも喜んでくれないと意味がないんだけど?」
「え?……っ」
ユウさんの問い掛けにドキッとした瞬間、身体に感じる暖かいぬくもり……。
私は、彼の腕の中に優しく抱き締められていた。
大切なものを包み込むようにしてくれる、腕の中。
……それなのに。
私の身体は、強張ったように動かなくなる。
私の手は彼の背中に回して抱き返す事も出来ず、抱き締められた体制のままぶらんとしているだけだった。