夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「もっと甘えてくれたら嬉しい。
そのっ、恋人……なんだから///」
照れたようなユウさんの声が、密着しているせいですごく近くに聞こえる。
”恋人”……。
そう、私とユウさんはもう恋人。
甘えればいいの。
彼氏と彼女なんだから、甘えればいい。
……。
でも、どうすればいいんだっけ?
甘える、って……どうやるんだっけ?
頭の中に浮かぶ疑問。
私は迷ってしまった。
当たり前にしていた事。
ヴァロンと一緒にいた時は、抱き締められたら抱き返して……。
自然とその胸に頰を寄せて、擦り寄っていた私。
嬉しくて嬉しくて、胸が弾んで……。
自らもっと触れたくなって、照れながら見上げると……。
ヴァロンは優しい瞳で見つめてくれて、私にそっと口付けてくれたの。
”アカリ”って、私の名前を呼んで……。
「……アカリ」
「っ……」
ヴァロンの事を思い出している最中にユウさんに名前を呼ばれて、思わずビクッと動揺してしまう。