夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
【数時間後】

スッキリする為に浴びた熱いシャワーも……。
心を落ち着かせる為に炊いたお香も、効果なんてちっともない。


「……」

深夜、広い寝室のベッドで一人。
私は眠れぬ夜を過ごしていた。


”キス、してもいい?”

そう問い掛けてくれたユウさんに、応える事が出来なかった私。


あの後、ユウさんは固く目を閉じた私にキスをした。

……。
でも、柔らかい温もりを感じたのは……。
唇ではなく、額だった。

驚いて目を開けた私に、ユウさんは微笑んで「おやすみ、またな」って言って、帰って行った。


「っ……」

布団に包まって、自分の身体をギュッと抱く。

好きになる、って決めたのにあんな態度をとってしまった自分が嫌になる。

ユウさんとは、もう恋人。
しかも、いずれは彼と結婚する前提のお付き合い。
手を繋いだり、抱き合ったり、キスしたり……。
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