夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
でも……。
私は変わってしまった。
”花のように可愛い女の子になって”。
そう願ってくれた母の想いを、もう私は叶える事なんて出来なくなっていた。
ヴァロンさんを失ったあの日。
夢の配達人の調査員になると決めたあの日、私は伸ばしていた髪をバッサリと切った。
女の子らしい服装はせず、スカートを履かなくなった。
だって、意味がない。
女の子らしくして、その姿を1番に見てほしかった人がいないのだから。
……。
取り戻したいと思った。
あの日失ってしまった、全てを……。
だから私は、夢の配達人の調査員になった。
そうなる事で立派な両親に近付けると、自分が許されると思ったの。
そう。
”嫉妬”という醜い感情を持った自分を……。
でも……。