夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

あの時と一緒。
私は気付いたら彼の腕に飛び込んでいた。


「……アカリの事が、心配なの」

「うん」

「幸せになってほしいの……。
私、アカリに幸せになってほしいのっ……」

「うん」

私の呟きに、ジェイクは短く頷いて聞いてくれる。
それだけで、安心が広がった。
一人で悩んでいるよりも、ずっとずっと気持ちが軽くなっていくのを感じた。


”特別な好きは、言葉ではありません。
いつの間にか自分に宿り、とっさに溢れ出すものなんですよ?”

昔、アカリの夫であるヴァロンに言われた言葉。今なら、よく分かる。

本当ね、貴方の言ってた通りだわ。

懐かしい姿を思い出すと、やっぱりその姿と共に在るのはアカリ。
ヴァロンとアカリが一緒に居て、幸せそうに微笑んでいる姿だった。
私が憧れた、理想の二人。
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