夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
カツンッ……。
カンッ……カンッ……コロンッ。
ユウさんの手から落ちた指輪が地面に落ちて、小さく跳ねて……。一瞬、時が止まった。
ユウさんの視線が指輪を追いかけて、静かに地面に横たわったような指輪を見てる。
「……あ。っ……ごめん、なさいっ」
私はハッと我に帰ると、地面に両膝を着いて慌てて落ちた指輪を拾った。
大切に自分の両手に包んで見つめると、その拳に涙がポタポタと落ちる。
「っ……ごめん、なさいっ。ごめんな……さいっ……ッ」
矛盾だらけの自分。
今までの事、指輪をはめる事を拒んだ事。
たくさんあり過ぎて、もう何に対して謝っているのか分からない。
ただただ、苦しくて、辛くて……。
ユウさんの優しさに甘えているのに、孤独で寂しくて……。
我が儘を言っている筈なのに、我慢しているかのように満たされない自分の心に、罪悪感が溢れ出した。