夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「あの指輪ね。
……僕が隠してたんだよ?」
「!……え?」
「僕が、アカリに意地悪したんだ。
ごめんね、今更……」
許される筈もない、懺悔の言葉を口にする。
あの指輪事件の後も、アカリは僕に対しての態度を変えなかった。
いつもニコニコ、大好きな笑顔で笑っていた。
その様子をみて、もしかして……。と思っていたけど。
ヴァロンさんはやっぱり、僕が犯人だった事をアカリに話してはいなかったんだ。
”アカリの事、職場では頼むな。
大事に想ってくれる奴なら、アカリの笑顔奪わねぇって信じてるから。”
……うん。
約束、するよ。
あの日眩しいくらいに輝いて映った憧れの人物を思い浮かべて、僕は心に誓う。
例え1番近くに居られなくても、大切な人を守ってみせる。と……。