夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
真っ直ぐに僕に返事をくれたアカリを見て、自然と微笑んで受け止められた自分は、何だか少し誇らしくて……。
あの人(ヴァロンさん)に近付けた気がした。
彼のように生きたいと思ったあの日の想いが、よくやく叶った気がしたんだ。
「……うんっ。
ちゃんと答えてくれて、ありがとう!」
指輪を受け取ってお礼を言うと、僕の目の前には大好きなアカリの笑顔があった。
目尻に溜まった涙が、まるでアクアマリンのように輝いていて……。
ゆっくり頰をつたり落ちて、地面に消える。
「ヴァロンさんに泣かされたら、いつでも言えよ?
そん時は、全力で奪ってやるんだからな!」
僕の冗談に笑って頷く彼女を見て、思った。
僕のアカリへの恋は、これで終わり。
でも、ずっとずっと祈ってるよ。
君が笑顔でいられる毎日を……。
……
…………。