夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
言葉を失ってしまって、目を丸くするだけで……。返事なんて、出来なかった。
「私はいいと思うけど?」
「!……え?」
「真面目に仕事してくれて、優しくて、何よりも子供達を大切にしてくれる。
アカリにとって、良い話だと思うわ」
顔を上げた私を見てモニカは優しく微笑むと、視線を子供達の方に向けて言葉を続ける。
「もう、三年よ。
外国で手術って言ったって、無事なら……。戻ってくる気があるなら、とっくに帰ってきてもいいでしょう?」
「……」
「つまり、そういう事よ。
アカリは充分待ったわ。まだ23なのよ?そろそろ、次の幸せを考えてもいいんじゃない?」
「っ……」
モニカに言われて、ズキッと痛む胸。
せっかくモニカは名前を出さないでくれたのに、私は心の中で毎日名前を呼んで、彼の姿を思い浮かべてしまうの。