夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
【自宅】
「ヒナタ、ヒカル。
今からママの話を聞いてくれる?」
ユウさんのプロポーズを断った夜。
私は居間で子供達の前に座り、ゆっくりと一冊のアルバムを広げた。
そこに写っているのは、ヴァロン。
私と、ヴァロンと、赤ちゃんの頃のヒナタと撮った写真の数々。
ヒナタとヒカルは記憶にない人物の写真を目にして、ただじっと写真に写るヴァロンの姿を見つめていた。
「……この人がね。
ヒナタとヒカルの、パパだよ?」
初めて子供達の前でヴァロンの写真を見せて、そう告げた。
今までずっと、隠してきた。
いつ会えるかも分からない父親の存在を知らせるのは、子供達を傷付けるだけだと思っていた。
……けど、違う。
私は、自分がそう告げたくなかっただけ。
私は、自分自身が傷付く事を恐れていたの。
ヴァロンへの想い出や気持ちを封印して生きて行く事が、子供達の為だと思っていた。
「ヒナタ、ヒカル。
今からママの話を聞いてくれる?」
ユウさんのプロポーズを断った夜。
私は居間で子供達の前に座り、ゆっくりと一冊のアルバムを広げた。
そこに写っているのは、ヴァロン。
私と、ヴァロンと、赤ちゃんの頃のヒナタと撮った写真の数々。
ヒナタとヒカルは記憶にない人物の写真を目にして、ただじっと写真に写るヴァロンの姿を見つめていた。
「……この人がね。
ヒナタとヒカルの、パパだよ?」
初めて子供達の前でヴァロンの写真を見せて、そう告げた。
今までずっと、隠してきた。
いつ会えるかも分からない父親の存在を知らせるのは、子供達を傷付けるだけだと思っていた。
……けど、違う。
私は、自分がそう告げたくなかっただけ。
私は、自分自身が傷付く事を恐れていたの。
ヴァロンへの想い出や気持ちを封印して生きて行く事が、子供達の為だと思っていた。