夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
「っ……まま?
まま、ないてるの?」
初めて見る私の涙に、戸惑った様子のヒカル。
まだ幼いこの子達に理解してもらうのは難しい事かも知れない。
困らせてしまうと分かりながら、涙が止まらない私が暫く抱き締めたままでいると……。
腕の中のヒナタが呟く。
「……ヒナ、まてるよ。
ママといっしょに、まてる」
「えっ?……」
その言葉に驚いて、ゆっくり身体を離して見つめと……。
そこには、今までとは違う。何だか少しお姉さんになった表情のヒナタが微笑んでいた。
私と目が合って、ちょっと照れ臭そうな娘は、隣の弟の手を取ってお姉ちゃん口調で言う。
「ヒカルもいっしょにがんばるんだよ。
おとこのこなんだから、しっかり!ね?」
”しっかり!”
そう言われて、始めはキョトンとしていたヒカルも次第に表情が変わっていく。
「っ……うん!」
決意をしたように二人で頷いて、私を見て、子供達が微笑った。
その眩しい笑顔に、今まで孤独に包まれていた自分が解かされる。