夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
ああ、そっか。
私は独りじゃなかった。
独りで頑張り続ける必要なんてなかった。
”一緒に、頑張る”
そんな当たり前で大切な事を、私は娘に改めて教えてもらって、ようやく本当の家族になれた気がした。
「っ……ありがとう!ヒナタ、ヒカル」
嬉しくて、暖かくて、再び子供達を抱き締めた私には幸せの笑みが溢れていた。
久々の、心からの笑顔。
ギューッと強く抱き合って、微笑み合って……。
その後、アルバムをめくりながら子供達にたくさんヴァロンの事を話した。
興味津々に私に色々質問しながら、自分達の父親の存在を喜ぶ二人。
その姿を見て表情を緩ませていると……。
「みゃ〜」
「!……リディア?」
鳴き声にハッとして目を向けると、いつの間にか傍に来ていた猫リディア。
私がさらわれたあの事件以来。人を警戒するようになってしまって、滅多に物陰から出てこようとしなかった猫リディアがじっと私達を見つめていた。