夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
子供達にヴァロンの話をしてからは、平穏な毎日が流れていた。
ヒナタも元気になり、ヒカルも以前より泣き虫ではなくなった。
でも、きっと気持ちを打ち明けた事で1番変わったのは私自身。
”私はヴァロンが大好き”
例え会えなくても、触れ合えなくても消せないこの想い。
片想いの恋に近い感情かも知れないが、彼の事を思い出すだけで色んな事を頑張ろうって思えるようになった。
ずっとネックレスチェーンに通して身に付けていた指輪も、今はもう一度私の薬指にはまっている。
私のこの指にはまるのはこの指輪だけ。
私が生涯愛するのはヴァロンだけ。
もう、他の誰にも恋をしないと決めた私の決意の証だった。
そして彼の指輪は、今も変わらずネックレスチェーンに通して私が持っている。
ヴァロンが帰ってきたら、すぐに渡せるように。
そんな瞬間が来る日を夢見て、私達は毎日を家族で頑張って生きていた。
……
………。