夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
すると……。
その先には片手で自分の顔面を押さえて、地面に片膝を着いている男性の姿。
「!……だ、大丈夫ですかっ?!」
ヒカルが投げたボールが当たった。
ヒナタの言った事が正しいのならば、当たったのは二歳児が投げたボールでさほど威力などないはず。
そう思ったが、男性に駆け寄り驚く。
男性の足元には、おそらくボールが当たって壊れてしまったのであろう黒縁の眼鏡が落ちていたからだ。
サァッと顔が青ざめる。
「っ……す、すみません!私が目を離していてっ……!
あのっ、お怪我はっ……ッ」
もしかしたら、眼鏡の破片で怪我をしてしまっている可能性も充分あった。
色々な考えが巡りすっかりパニックになっていると、男性は顔面から手を離して、私の方を……見た。
「……いえ、大丈夫です。
僕の方もボーッとしていたので……」
「!……。え……?」
男性の声に、胸がドキンッと、跳ねた。