ひとり戦場に行く君へ
しばらくして君は、笑ってわたしの頭を撫でた。
その手は昔よりずっと大きかった。
わたしが泣くから、自分が泣いてる暇がないと
困ったように嬉しそうに笑ってた。
こんなに強い人だったっけ。
わたしは更に悲しくなった。
見えてしまった、君の中の軍人の心が。
もうとっくに、覚悟をしていた目が。
戦争が告げられてから、君に感じた違和感は全部これだった。
もうずっと前から、わたしの知らない間に、
君は軍人になっていたんだ。