【完】愛して...
ようやく泣き止み、話す決意をきめ、風呂場からでる。
体を拭く。
包帯は巻かない。
脱衣室を出て、碧の部屋に向かう。
碧の部屋の前でひとつ、深呼吸をする。
コンコン
「入れ。」
ガチャ
「尊か...来い。」
あおに言われたが行かない。
私はこの話を皆に聞いてほしいから。
『全部.....話す。皆にも....』
私の言いたい事がわかったのか、あおが立ち上がる。
「わかった。...ただひとつ、お前の話を聞いたからって、誰もお前の事を嫌いになんかならない。」
なん、で.....
私は困惑した顔であおを見ていたのか、あおが笑って言う。
「それくらいわかる。...だからお前も、離れていくな。」
泣きそうになる。
涙が落ちそうになるのを耐えて、唇を噛み締める。
「噛むな。ほら、行くぞ。」
そう言って、私を抱き抱え、リビングに向かう。
あおの首もとに顔を埋め、泣きそうになるのを耐える。