【完】愛して...
私は母親が帰ってきたのだと思った。
しかし、違った。
「あれ?尊じゃん。あいついないの?」
帰ってきたのは父親だった。
あいつとは、母親のことだ。
父親は私に暴力をふるったことは一度もなく、私も安心しきってしまっていた。
「お茶おねがい。」
父親にそう言われ、お茶をもっていった。
父親に渡そうとしたら...
パシャッ ゴトン
コップの中身が私に全部かかり、落ちた。
幸い、コップは割れていない。
ホッとしている私は気がつかなかった。
これは故意的にやったことだったと。
父親が男の顔で私を見ていたこと。