【完】愛して...
何が起こったのかわからず、数秒固まる私。
それに気付いた翠が慌てて栓を捻る。
つ、冷たい。
出てきたシャワーはお湯ではなく水で少し肌寒い。
衣服が体に張り付く。気持ち悪い。
「何やってるんですか。そのままだと風邪を引きますよ。」
そう言って、雫は私を持ち上げ隣のお風呂場へと向かう。
浴室に入り、真ん中の浴槽に私を入れる。
「尊、服を脱いでください。私が洗っておきます。」
そう言われて私は服を脱ぐ。眼帯もだ。
私は裸を見られることに恥じらいを感じない。
現に、目の前に翠がいても普通に服を脱ぎ始める私。
翠も慣れているのか、淡々と私の衣服を受けとる。
「ちゃんと温まって下さいね。」
そう言って、浴室から出ていった。
.....が、何を思ったのかもう一度私の所まで戻ってくる翠。
そして、
「もう少し警戒してくださいよ?」
そう言って、
チュッ
私の首もとに吸い付いた。
「では。」
今度こそ、戻っていった。
あ、甘い。
朝から甘すぎる。
胸焼けおこすんじゃないか?
そう思わずにはいられない私でした。